【固定時間制】フレックスタイム制との違いをわかりやすく解説

固定時間制 勤務・働き方

こんにちは、労務女子なおです。
本記事では『固定時間制(通常の労働時間制)』について、フレックスタイム制など他の勤務形態との違いも含めて、3分程度で概観できるよう解説します。

固定時間制とは

固定時間制とは、「9時から18時まで」のように、始業時刻と終業時刻があらかじめ決められている一般的な勤務形態です。毎日の勤務時間が固定されている点が特徴で、企業にとっては勤怠管理がしやすい働き方とも言えます。

一方、勤務形態には固定時間制以外にも、「変形労働時間制」「フレックスタイム制」「事業場外みなし労働時間制」「裁量労働制」などがありまず。これらは固定時間制の例外的、弾力的な取り扱いとなる制度と言えます。

固定時間制を含めて、主な勤務形態は以下のように分類できます。それぞれの概要については、以下の記事でも紹介しています。
 ➡ 【勤務形態とは】勤務体系・勤務体制との違いは?種類をわかりやすく解説

勤務形態一覧(通常の労働時間制)

固定時間制とフレックスタイム制の違い

固定時間制と比較されることの多い勤務形態の一つが「フレックスタイム制」です。両者の大きな違いは、日々の始業・終業時刻の決め方にあります。

固定時間制では、「9時から18時まで」のように会社があらかじめ定めた始業・終業時刻に勤務するのが基本です。一方、フレックスタイム制では、一定期間についてあらかじめ定められた総労働時間の範囲内で、労働者が日々の始業・終業時刻を自主的に決めることができます。

つまり、固定時間制は「勤務する時間帯があらかじめ固定されている働き方」、フレックスタイム制は「一定のルールの中で、労働者が始業・終業時刻を決められる働き方」と整理するとわかりやすいでしょう。

フレックスタイム制については、以下の記事で詳しく解説しています。
 ➡ 【フレックスタイム制】コアタイムとは?メリット・デメリットもわかりやすく解説

労働時間制の原則

通常の労働時間制を理解するためには、労働基準法で定められている原則を認識しておくことが、その基本となります。

労働時間に関しては、法令で労働時間の上限が定められています。これを法定労働時間と言います。
労働基準法第32条には「使用者は、1日に8時間、1週間に40時間を超えて労働させてはならない」旨の記載があり、この原則を守らなければなりません。

【労働基準法第32条】条文一部抜粋

(労働時間)
第三十二条
 使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。
 使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない。

この原則を超えて労働させるためには、後述する要件、いわゆる36協定、を備える必要があります。

ちなみに、特例措置対象事業場して、「商業」、「映画・演劇業(映画の製作の業務を除く)」、「保健衛生業」、「接客娯楽業」のうち、常時10人未満の労働者を使用する事業場の上限は、1日8時間、1週44時間となっており、対象は限定的ですが、取り扱いが微妙に異なります。

一般的に“残業”と言われる行為は、この36協定を締結することによって可能となっています。
また、労働時間に関連する内容として、休憩に関しても、労働基準法第34条に「使用者は、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を与えなければならない」旨の記載があります。

【労働基準法第34条】条文抜粋

(休憩)
第三十四条
 使用者は、労働時間が六時間を超える場合においては少くとも四十五分、八時間を超える場合においては少くとも一時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。
 前項の休憩時間は、一斉に与えなければならない。ただし、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるときは、この限りでない。
 使用者は、第一項の休憩時間を自由に利用させなければならない。

加えて、休日に関しても、労働基準法第35条に「使用者は、少なくとも毎週1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日を与えなければならない」旨の記載があります。

【労働基準法第35条】条文抜粋

(休日)
第三十五条
 使用者は、労働者に対して、毎週少くとも一回の休日を与えなければならない。
 前項の規定は、四週間を通じ四日以上の休日を与える使用者については適用しない。

なお、『休日』の詳細は以下で解説しています。
 ➡ 【休日】労働基準法における定義や法定休日とは?概要をわかりやすく解説

通常の労働時間制(固定時間制)については、労働基準法で定められているこれらの原則を守りながら運用されている働き方ということになります。

一方で、この通常の労働時間制(固定時間制)において、就業規則に定められた時間を超えて働く場合は、どのような考え方になるのでしょうか。
それを可能とする仕組みが、労働基準法第36条であり、”36条”であるということで、一般的に「36協定(サブロク協定)」と呼ばれています。

労働基準法第36条には「使用者は、労働者の過半数で組織する労働組合か労働者の過半数を代表する者との労使協定において、時間外・休日労働について定め、行政官庁に届け出た場合には、法定の労働時間を超える時間外労働、法定の休日における休日労働が認められる」旨の記載があります。

【労働基準法第36条】条文一部抜粋

(時間外及び休日の労働)
第三十六条
 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、厚生労働省令で定めるところによりこれを行政官庁に届け出た場合においては、第三十二条から第三十二条の五まで若しくは第四十条の労働時間(以下この条において「労働時間」という。)又は前条の休日(以下この条において「休日」という。)に関する規定にかかわらず、その協定で定めるところによつて労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる。

つまり、労使協定である36協定を締結することによって、前述の法定労働時間を超えて、または、法定休日に働かせることが可能ということです。36協定を締結する場合も、青天井でいくらでも働かせることが可能になるということではなく、時間外労働には限度が設けられていますので、その基準におさまる範囲にしなければなりません。

なお、『36協定』の詳細については以下で解説しています。
 ➡ 【36協定】残業時間の上限規制とは?概要をわかりやすく解説

おわりに

この記事では、『固定時間制(通常の労働時間制)』の概要と、フレックスタイム制との違い、労働時間に関する基本的なルールについて解説しました。固定時間制は、始業・終業時刻があらかじめ定められた一般的な働き方です。人事労務担当者は、1日8時間・週40時間などの労働基準法上の原則や36協定の仕組みも理解したうえで運用することが重要です。

人事労務や労働法を体系的に学びたい方は、書籍で一度全体像をつかんでおくのもおすすめです。
 ➡ 【人事労務おすすめ本】労働法の基本を学ぶには?おすすめ厳選8冊を紹介

【参考】
e-Gov 労働基準法
厚生労働省 労働時間・休日
厚生労働省 週40時間労働制

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