【人事担当者おすすめ本】キャリアについて考えるために読んでよかった5冊

キャリアおすすめ本_アイキャッチ 人事労務のおすすめ本

こんにちは、労務女子のなおです。

人事の仕事をしていると、社員のキャリアと向き合う機会が多くあります。むしろ、向き合い続けることが人事の仕事ともいえる気もします。人材育成、配置、異動、昇進、キャリア面談など、さまざまな場面で社員のキャリアに関わりますが、そもそも「キャリアとは何なのか」「キャリアを決める要素は何なのか」といった、雲をつかむような問いに向き合うことになります。

キャリアについて考えるためのアプローチも一つではありません。キャリアデザインについて理論や考え方を学ぶこともできますし、実際にキャリアを歩んできた人の経験や人生観から、自分なりのキャリアについて考えることもできます。また、人事担当者自身も一人の働く人です。社員のキャリアについて考えるだけでなく、自分自身のキャリアについて悩んだり、考えたりすることもあると思います。

今回は、これまで読んだ本の中から、キャリアについて体系的に考えるうえで参考になった3冊と、著者のキャリア観や人生観からキャリアについて考えさせられた2冊を紹介します。

今回紹介する5冊は、必ずしも同じタイプの「キャリア本」ではありません。前半では、キャリアデザインの基本的な考え方、キャリアにおける偶然の意味、日本企業におけるキャリア形成など、キャリアについて理論や考え方を学ぶための3冊を紹介します。後半では少し視点を変えて、著者自身の経験や人生観を通じて、仕事やキャリア、さらには人生について考えさせられた2冊を紹介します。

キャリアに一つの正解があるわけではないからこそ、さまざまな角度からキャリアについて考える視点を持つことが大切だと思います。

書籍特徴こんな視点で読める
キャリアデザイン入門キャリアデザインの基礎キャリアとは何かを体系的に考える
その幸運は偶然ではないんです!計画的偶発性予期せぬ出来事や偶然をキャリアにどう活かすか
日本型キャリアデザインの方法日本企業とキャリア日本企業で働く人のキャリア形成について考える
LEAN IN著者自身の経験・キャリア仕事、昇進、挑戦、家庭などからキャリアを考える
イノベーション・オブ・ライフ仕事と人生キャリアだけではなく、人生全体から仕事について考える

キャリアについて体系的に学ぶための3冊

キャリアデザイン入門 大久保 幸夫(著)

キャリアについて体系的に考えるための入門書としておすすめしたい一冊です。

「キャリア」という言葉は日常的に使われていますが、いざ「キャリアとは何か」「キャリアをデザインするとはどういうことか」と聞かれると、意外と説明するのは難しいものです。本書では、キャリアについての基本的な考え方から、キャリアをどのように捉え、形成していくのかまで、幅広く整理されています。

人事の仕事では、キャリア面談や人材育成施策などを通じて、社員のキャリアについて考えることがあります。一方で、「キャリアは本人が考えるもの」と漠然と捉えているだけでは、社員のキャリア形成を支援することは難しいと思います。

キャリアに唯一の正解があるわけではないため、本書の考え方を一つの正解として捉える必要はありませんが、キャリアについて感覚的に考えるのではなく、キャリア形成を考えるための基本的な視点や考え方を整理するために読むと大変参考になります。なお、続編として『キャリアデザイン入門[II]』も出版されています。本書を読んでさらに興味を持った方は、続けて読んでみるのもおすすめです。

キャリアについて一度きちんと整理して学んでみたい人事担当者におすすめです。


その幸運は偶然ではないんです! J・D・クランボルツ、A・S・レヴィン(著)

計画的偶発性理論(プランド・ハップンスタンス理論)で知られる、スタンフォード大学のクランボルツ教授による一冊です。

本書では、キャリアにおける「偶然」の重要性について考えることができます。

キャリアに対しては、「将来なりたい姿を決め、そこから逆算して必要な経験を積んでいく」といった計画的なキャリア形成を目指す方は多くいます。一方で、実際のさまざまな人のキャリアを見てみると、偶然出会った人、予期していなかった異動、思いがけず与えられた仕事などが、その後のキャリアを大きく変えているケースが多くあります。

本書では、そうした予期せぬ出来事を単なる偶然として捉えるのではなく、行動することによって偶然の機会を生み出し、それをキャリアにつなげていくという考え方が紹介されています。外的要因によってキャリアの大きな展開を経験したことのある方であれば、本書の考え方がより腹落ちしやすいかと思います。

人事として社員のキャリアを考える際にも、「将来のキャリアを明確に決めること」だけを求めるのではなく、さまざまな経験や機会に触れること自体がキャリア形成につながるという視点を持つことができます。

キャリアを計画することだけでなく、偶然や機会との向き合い方について考えてみたい方におすすめです


日本型キャリアデザインの方法 大久保 幸夫(著)

日本企業で働く人のキャリア形成について考えるうえで参考になる一冊です。

キャリアに関する理論や書籍には、欧米で生まれたものが多くあります。一方、日本企業では、新卒一括採用、配置転換、ジョブローテーション、社内昇進など、独自の雇用慣行の中でキャリアが形成されてきました。本書では、そうした日本企業で働くという現実を踏まえながら、どのように自分のキャリアをつくっていくのかについて考えることができます。

人事としても、社員に「自律的にキャリアを考えてください」と伝えるだけではなく、多くの日本企業では、人事制度や配置、人材育成の仕組みが社員のキャリア形成に大きな影響を与えていることを理解しておく必要があります。個人のキャリア自律と、企業による人材育成や配置をどのように両立していくのか。

日本企業におけるキャリア形成について、人事の立場から改めて考えるきっかけになる一冊です。


著者のキャリア観・人生観から学ぶ2冊

ここからは、キャリア理論そのものを学ぶ本ではなく、著者自身の経験や仕事・人生に対する考え方を通じて、キャリアについて考えさせられた2冊を紹介します。

LEAN IN シェリル・サンドバーグ(著)

Facebook(現Meta)でCOOを務めたシェリル・サンドバーグによる、自身の経験を交えながら仕事やキャリアについて論じた一冊です。

本書では、女性が仕事の中で直面するさまざまな課題を取り上げながら、仕事への向き合い方、昇進や挑戦、リーダーシップ、家庭との両立などについて語られています。著者自身がキャリアの中で抱いた葛藤も赤裸々に語られており、女性に限らず、仕事やキャリアについて悩んだ経験のある多くの読者の気持ちを揺さぶる内容ではないでしょうか。

キャリアデザインの理論を体系的に解説する本ではありませんが、実際にキャリアを築いてきた一人のビジネスリーダーの経験を通じて、キャリアについて考えることができるのが本書の魅力です。

人事として読むと、制度を整えるだけではなく、本人の意識、職場の環境、周囲から与えられる機会など、さまざまな要素がキャリア形成に影響していることについて考えさせられます。また、人事担当者自身が一人のビジネスパーソンとして、自分は仕事やキャリアにどのように向き合っていきたいのかを考えるうえでも参考になります。

女性・男性を問わず、実際の経験を通じて仕事への向き合い方やキャリアについて考えてみたい方におすすめです。


イノベーション・オブ・ライフ クレイトン・M・クリステンセンほか(著)

『イノベーションのジレンマ』などで知られるハーバード・ビジネス・スクール教授、クレイトン・クリステンセンらによる、仕事や人生について考える一冊です。

本書では、経営学の理論を企業経営だけではなく、「自分自身の人生をどのように生きるのか」という問いに当てはめて考えていきます。キャリアだけではなく、ライフそのものについて考える本と捉えてもよいかもしれません。ただし、単なる自伝や人生を振り返る類の本ではなく、クリステンセン教授らしく、理論やロジックをベースにしながら分かりやすく説明されている点も、本書の魅力です。キャリアについて考えていると、どうしても仕事上の成功や昇進、どのような仕事をするのかといったことに目が向きがちです。一方で、本書では仕事だけではなく、家族や人間関係、人生において何を大切にするのかというところまで視野を広げて考えます。

人事として社員のキャリアについて考える際にも、社員にとって仕事は人生の一部分であり、会社の中でどのように活躍するかだけがキャリアではないという当たり前のことを改めて考えさせられます。また、自分自身のキャリアについて考える際にも、「どの会社で、どのポジションまで行くのか」だけではなく、仕事を含めてどのような人生を送りたいのかという、より大きな問いからキャリアを考えるきっかけになる一冊です。

仕事上のキャリアだけに閉じず、人生全体の中で仕事について考えてみたい方におすすめです


おわりに

今回は、キャリアについて考えるうえで参考になった5冊を紹介しました。

キャリアには、あらかじめ計画してつくっていく部分もあれば、偶然の出会いや機会によって形づくられていく部分もあります。また、会社の制度や環境から影響を受ける一方で、最終的には一人ひとりの人生の中にあるものでもあります。

人事は、社員のキャリア形成を支援する立場にあります。だからこそ、「こういうキャリアを歩むべき」と一つの考え方を持つのではなく、キャリアについてさまざまな見方を知っておくこと自体が、人事として社員のキャリアに向き合ううえで役立つのではないかと思います。そして、人事担当者自身も一人の働く人です。

今回紹介した本が、社員のキャリアについて考えるだけではなく、自分自身はこれからどのような仕事や人生を歩んでいきたいのかを考えるきっかけにもなればと思います。

キャリア以外のテーマについても、人事担当者におすすめの本を紹介しています。

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