【人事担当者おすすめ本】これからの働き方を考えるために読んでよかった4冊

働き方おすすめ本_アイキャッチ 人事労務のおすすめ本

こんにちは、労務女子のなおです。

人事担当者にとって、「働き方」は、あらゆる人事の取り組みを考えるうえでの前提となる重要なテーマです。従来にも増して多様な働き方が広がる昨今において、人事としてその変化を意識しないわけにはいきません。テクノロジーの進化、AIの普及、リモートワークの拡大、働く人の価値観の変化など、私たちを取り巻く環境は大きく変わっています。また、日本企業においても、ジョブ型雇用、キャリア自律、働く場所や時間の柔軟化など、これまでの働き方を見直す動きが続いています。

こうした変化の中で、人事制度や個別の施策について考えるだけではなく、「そもそもこれから人はどのように働くのか」「会社と働く人との関係はどう変わっていくのか」という、より大きな視点から働き方について考えてみることも大切だと思います。もちろん、これからの働き方に一つの正解があるわけではありません。

今回は、これまで読んだ本の中から、これからの働き方についてさまざまな角度から考えるうえで参考になった4冊を紹介します。

今回紹介する4冊は、それぞれ異なる視点から「働く」ということを考えることができる本です。

書籍特徴こんな視点で読める
ワーク・シフト未来の働き方社会全体の変化というマクロな視点から働き方を考える
働き方5.0AI・テクノロジーと人間今ある仕事観を相対化し、これから人が生み出す価値を考える
ジョブ型雇用社会とは何か日本の雇用システム日本の雇用の成り立ちから、これからの働き方を考える
リデザイン・ワーク仕事・職場の再設計企業や人事の立場から、これからの仕事をどう設計するか考える

これからの働き方を考えるために読んでよかった本 4冊

未来の社会や働き方について考える本、AIやテクノロジーと人間の仕事について考える本、日本の雇用システムについて考える本、そして企業が仕事や職場をどのように再設計していくのかを考える本を選びました。

ワーク・シフト リンダ・グラットン(著)

「人生100年時代」という言葉が広く知られるきっかけの一つとなった『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』の著者、ロンドン・ビジネス・スクール教授のリンダ・グラットンによる、未来の働き方について考える一冊です。

本書では、テクノロジーの進化、グローバル化、人口構成や社会の変化など、私たちを取り巻くさまざまな変化を踏まえながら、これから仕事や働き方がどのように変わっていくのかを考えていきます。未来について書かれた本ではありますが、単に「将来はこうなる」と予測するだけではありません。さまざまな変化の中で、働く個人がどのような選択をし、どのような能力や人とのつながりを築いていくのかについても考察されています。

人事の仕事をしていると、どうしても自社の制度や組織、目の前の人事課題に意識が向きがちです。一方で、働き方そのものが社会、テクノロジー、人口動態などの大きな変化から影響を受けていることを考えると、人事にとっても、こうしたマクロな視点から働き方を捉えることの重要性を改めて感じさせてくれる一冊です。出版から時間が経ち、当時「未来」として描かれていた時代に近づいた今だからこそ、本書で描かれていた変化と現在を比較しながら読んでみるのも面白いと思います。

目の前の人事制度から少し離れて、社会全体の変化という大きな視点から、これからの「働く」を考えてみたい人事担当者におすすめです。


働き方5.0 落合 陽一(著)

研究者・メディアアーティストとして活動する落合陽一氏による、テクノロジーが進化する社会における人間の働き方について考える一冊です。

AIや自動化が進むと、「人間の仕事はAIに奪われるのではないか」といった議論が起こります。本書では、そうしたテクノロジーの進化を前提としながら、これからの時代に人間はどのような仕事をし、どのような価値を生み出していくのかについて考えていきます。本書を読んで興味深いのは、私たちが無意識のうちに持っている「仕事」や「働くこと」に対する前提そのものを問い直してくれる点です。特に、企業に勤めるホワイトカラーを中心とした画一的な仕事観だけを前提にするのではなく、テクノロジーによって社会や仕事のあり方そのものが変わっていく中で、「そもそも人が働くとはどういうことなのか」「これから人間は何によって価値を生み出していくのか」を客観的に考えるきっかけになります。

人事にとっても、AIによって「どの仕事がなくなるのか」だけを考えるのではなく、現在の仕事や会社員という働き方自体を一度相対化したうえで、これから人に求められる能力や、人だからこそ生み出せる価値について考えることは、今後の人材育成や組織づくりを考えるうえでも参考になります。

今ある仕事や働き方を当たり前のものとせず、AIやテクノロジーの進化を踏まえて、これから人がどのように働いていくのかを考えてみたい方におすすめです。


ジョブ型雇用社会とは何か 濱口 桂一郎(著)

労働政策研究・研修機構の研究者として日本の雇用システムを長く研究してきた濱口桂一郎氏による、日本の雇用と働き方について考える一冊です。

近年、日本においても「ジョブ型」という言葉を聞く機会が増え、その働き方への注目が高まっています。一方で、日本で語られる「ジョブ型」が本来どのような雇用のあり方を意味しているのか、従来の日本型雇用と何が違うのかについては、必ずしも十分に理解されないまま使われていることがあります。本書では、いわゆる「ジョブ型」と「メンバーシップ型」の違いをはじめ、日本の雇用システムがどのように成り立ってきたのかを、歴史や制度を踏まえながら詳しく解説しています。

「これからの働き方」を考える際には、未来の変化だけを見るのではなく、そもそも現在の日本人の働き方がどのような雇用システムの上に成り立っているのかを理解することも重要です。本書を通じて、長年にわたって日本企業が築いてきた日本固有の雇用システムへの理解を深め、その背景や成り立ちを踏まえたうえで、地に足をつけて未来の働き方を考えることができます。人事担当者にとっては、「ジョブ型人事制度を導入すべきか」といった表面的な議論にとどまらず、日本企業における雇用、人事制度、働き方の背景を改めて理解するうえでも参考になる一冊です。

ジョブ型・メンバーシップ型という言葉の背景から、日本の雇用の成り立ちを理解し、これからの働き方について考えてみたい人事担当者におすすめです。


リデザイン・ワーク リンダ・グラットン(著)

最初に紹介した『ワーク・シフト』と同じく、リンダ・グラットンによる、これからの仕事や職場をどのように再設計するのかについて考える一冊です。

コロナ禍をきっかけとして、世界中の企業でリモートワークが急速に広がり、「どこで働くのか」「いつ働くのか」という、これまで当たり前だった前提が大きく変化しました。一方で、本書が扱っているのは、単なる「出社かリモートワークか」という議論だけではありません。働く場所や時間、仕事の内容、生産性、人とのつながりなどを踏まえながら、仕事そのものをどのように再設計していくのかを考えていきます。

人事として働き方を考える際には、「週何日出社するのか」「在宅勤務をどこまで認めるのか」といった制度設計に議論が集中してしまうことがあります。しかし、本来考えるべきなのは、社員がどのような環境であれば能力を発揮できるのか、仕事の特性に応じてどのような働き方が望ましいのかという、より本質的な問いなのかもしれません。『ワーク・シフト』で未来の働き方を大きな視点から考え、本書で企業や人事が実際に仕事をどのように再設計していくのかを考える。2冊をあわせて読んでみるのも面白いと思います。

これからの働き方を、単なる勤務場所や制度の問題ではなく、仕事そのものの設計という視点から考えてみたい人事担当者におすすめです。


おわりに

今回は、これからの働き方について考えるうえで参考になった4冊を紹介しました。

テクノロジーの進化、AIの普及、雇用システムの変化、働く人の価値観の変化など、「働く」ということを取り巻く環境はこれからも変化していくと思います。人事の仕事では、その変化に応じて新しい制度や施策をつくることが求められます。一方で、制度を考える前に、「そもそもこれから人はどのように働くのか」「会社は働く人にとってどのような存在になるのか」「人事はどのような働く環境をつくるべきなのか」といった大きな問いについて考えてみることも大切です。

未来を正確に予測することはできません。だからこそ、社会やテクノロジーというマクロな変化、日本固有の雇用システム、そして企業における仕事の設計など、さまざまな視点から「働く」ということを考えておくことが、人事にとって大切なのではないかと思います。

今回紹介した4冊が、目の前の制度や施策から少し離れて、これからの「働く」について考えるきっかけになればと思います。

働き方以外のテーマについても、人事担当者におすすめの本を紹介しています。

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