こんにちは、IT企業で人事をしている労務女子なおです。本記事では、これまで人事として組織やリーダーと関わる中で、リーダーシップについて考えるうえで参考になったおすすめの3冊を紹介します。
人事の仕事では、自分自身がリーダーとして組織を率いるだけでなく、管理職の育成や組織開発、人材配置など、さまざまな場面で職場のリーダーを支援することが求められます。そのためには、マネジメントの手法や人事制度について知るだけでなく、「リーダーとはどのような存在なのか」「どのようなリーダーシップのあり方があるのか」「リーダーはどのように組織を動かしていくのか」を人事自身が考えておくことも大切だと感じています。
今回紹介する3冊は、リーダーシップ理論を体系的に解説した教科書のような本ではなく、また、いわゆる人事の実務書とも少し異なります。それぞれ異なる視点からリーダーや組織について描かれており、人事としてさまざまなリーダーシップのあり方を考えるうえで、特に参考になった3冊に絞って紹介します。
リーダーシップについて考えるおすすめ本3冊を比較
この記事で紹介する3冊は、それぞれリーダーシップを異なる角度から考えることができる本です。
| 書籍 | この本から考えられること | 特徴 |
|---|---|---|
| リーダーシップ論 | リーダーシップとは何か | リーダーシップとマネジメントの違いなど、リーダーの役割についてさまざまな視点から考えられる |
| リーダーの戦い方 | 自分なりのリーダーシップとは何か | さまざまなタイプのリーダーを通じて、リーダーに唯一の正解がないことを考えさせられる |
| V字回復の経営 | 組織変革におけるリーダーの役割 | 組織改革におけるリーダーと人・組織の動きを、ストーリーを通じて疑似体験できる |
リーダーシップについて考えるために読んでよかった本 3冊
それでは、3冊それぞれについて、人事として読んで参考になったポイントを紹介していきます。
リーダーシップ論 ジョン・P・コッター(著)
ハーバード・ビジネス・スクール教授を務めたジョン・P・コッターによる、リーダーシップについて考えるうえで参考になる一冊です。
コッターは、リーダーシップとマネジメントの違いを明確に整理したことや、変革の8段階プロセスを提唱したことで知られています。本書にもそうした示唆に富んだ内容が含まれており、変革を進めるうえでリーダーが果たす役割など、リーダーシップについてさまざまな角度から論じられています。
日々の仕事では、「良いリーダーになるにはどうすればよいか」と具体的な行動やテクニックに目が向きがちです。一方で、本書を読むことで、その前提となる「そもそもリーダーシップとは何なのか」「マネジメントとは何が違うのか」について改めて深く考えさせられます。
人事として管理職育成や組織について考える際にも、目の前の施策や制度だけではなく、そもそも組織においてリーダーに何を期待するのかを考えるきっかけになる一冊です。
リーダーシップについて、その本質から改めて考えてみたい人事担当者におすすめです。
リーダーの戦い方 内田 和成(著)
ボストン コンサルティング グループ日本代表、早稲田大学大学院経営管理研究科(ビジネススクール)教授などを務めた内田和成氏による、さまざまなリーダーのあり方について考えることができる一冊です。
本書の面白さは、「優れたリーダーはこうあるべき」という一つの理想像を示すのではなく、さまざまなタイプのリーダーが存在することを前提としており、それぞれのリーダーについて非常に分かりやすい表現・語り口で紹介している点にあります。
リーダーシップのあり方は、それぞれの強みや個性、置かれた状況によって異なります。人事の立場では、管理職に対して「こういうリーダーになってほしい」という画一的な理想像を求めてしまうことがあります。一方で、本書を読むと、理想のリーダー像を一つに決めつけるのではなく、さまざまなリーダーシップのスタイルを理解し、それぞれの強みをどう活かすかという視点を持つことの大切さを考えさせられます。
人事としてさまざまなリーダーのあり方を理解し、リーダーシップ観を広げたい方におすすめです。
V字回復の経営 三枝 匡(著)
業績不振に陥った企業の事業再生を題材に、組織改革のプロセスをストーリー形式で描いた一冊です。
組織を変えるためには、戦略や制度を考えるだけでは十分ではありません。改革への抵抗、組織内の人間関係、メンバーの意識など、さまざまな問題と向き合いながら変革を進めていく必要があります。本書の魅力は、そうした組織変革の難しさと、その中でリーダーが果たす役割を、物語を通じて疑似体験できることにあります。人事の立場から読むと、組織変革の中で人がどのように反応し、リーダーがどのように人を巻き込みながら組織を動かしていくのかを具体的にイメージできます。また、組織における人間模様が生々しく描かれており、単に一つの小説としても楽しく読めます。
制度や組織図を変えるだけでは組織は変わらないということを実感するとともに、組織変革においてリーダーシップが果たす役割について考えさせられる一冊です。
人事として、組織変革におけるリーダーと人・組織の動きを、より具体的に考えてみたい方におすすめです。
人事としてリーダーシップについて考える意味
人事がリーダーシップについて学ぶ目的は、必ずしも自分自身が「優れたリーダーになる」ことだけではありません。
管理職の育成、配置、評価、組織開発など、人事の仕事ではさまざまな場面でリーダーと関わり、その活動を支援します。その際、「良いリーダーはこうあるべき」という一つの正解を持つのではなく、さまざまなリーダーシップのあり方を理解し、それぞれのリーダーや組織が置かれた状況を考えることが重要だと思います。
今回紹介した3冊も、人事施策の具体的な方法を教えてくれる実務書ではありません。だからこそ、目の前の制度や施策から少し離れて、「リーダーとは何か」「人事はリーダーをどのように理解し、支援すべきなのか」について考える材料として読んでみるのがおすすめです。
おわりに
この記事では、人事としてリーダーシップについて考えるうえで参考になった3冊を紹介しました。
「リーダーシップ論」でリーダーシップそのものについて考え、「リーダーの戦い方」でさまざまなリーダーのあり方に触れ、「V字回復の経営」で組織変革におけるリーダーと人・組織の動きを疑似体験する。それぞれ性格の異なる本ですが、3冊を読み重ねることで、一つの理想的なリーダー像にとらわれず、さまざまな角度からリーダーシップについて考えることができます。今回紹介した3冊が、人事として職場のリーダーを理解し、支援するうえでの参考になれば幸いです。
人事労務や労働法を体系的に学びたい方は、こちらの記事でもおすすめ書籍を紹介しています。
➡ 【人事労務おすすめ本】労働法の基本を学ぶには?おすすめ厳選8冊を紹介