こんにちは、IT企業で人事をしている労務女子なおです。 本記事では、労務女子なおが人事労務の知識、実務を学ぶ過程で読んだ書籍の中から、おすすめの本を紹介します。
人事労務の具体的な実務というよりは、実務の前提となる労働法の基礎知識を習得するために役立つ本が多めの紹介となります。これまで人事労務に携わるキャリアの中で幅広い書籍を読んできた中から厳選した8冊です。
人事労務・労働法のおすすめ本8冊を比較
「どの本を読めばよいかわからない」という方向けに、この記事で紹介する8冊を比較しました。
| 書籍 | 難易度 | おすすめの人 | 特徴 |
| プレップ労働法 第7版 | ★☆☆☆☆ | 初めて労働法を学ぶ人 | 語り口がやさしく、労働法の全体像をつかみやすい入門書 |
| 人事の法律常識 第9版 | ★★☆☆☆ | 新任の人事労務担当者 | 具体例を交えながら、実務をイメージして基本を学べる |
| 企業労働法実務入門 | ★★☆☆☆ | 人事労務の実務に携わる人 | 労働法の基礎と実務上のポイントをバランスよく学べる |
| 労働法 第13版(菅野・山川) | ★★★★★ | 本格的・網羅的に学びたい経験者 | 労働法の幅広い論点を網羅した定番の基本書 |
| 労働法 第5版(荒木) | ★★★★☆ | 法解釈や判例まで深く学びたい人 | 事例・判例を通じて法解釈の本質まで理解しやすい |
| 労働法 第10版(水町) | ★★★☆☆ | 労働法を体系的に学びたい経験者 | 体系性と読みやすさのバランスがよく、実務的な事例も豊富 |
| 就業規則の法律実務 第6版 | ★★★☆☆ | 就業規則を扱う実務担当者 | 就業規則の各テーマについて法解釈を詳しく確認できる実用書 |
| 労働基準法解釈総覧 改訂17版 | ★★★★★ | 法令・通達等を正確に確認したい実務担当者 | 政省令・告示・通達等を含め、必要な情報を辞書的に調べられる |
8冊それぞれに特徴があります。初めて労働法を学ぶ方がどれから読めばよいか迷った場合は、まず「プレップ労働法」がおすすめです。
初心者向けおすすめ本 3冊
人事労務の仕事を始めたばかりの方や、労働法の基礎を学びたい方におすすめの3冊です。いずれも初学者が読みやすい本ですが、経験者も多くの気づきが得られる良書です。
プレップ労働法 第7版 森戸 英幸 (著)
労働法の世界を、森戸先生のユーモアと優しい語り口で楽しく解説してくれる入門書です。法律に苦手意識がある方でも取っつきやすく、サラッと読み進められます。
平易な表現ながら内容はしっかりしており、労働法を考えるうえでの基本的なポイントを押さえることができます。「労働法の本を初めて1冊読む」という方には、特におすすめです。
人事の法律常識 第9版 安西 愈 (著)
労働法の基本的な知識を、具体的な事例を交えながら分かりやすく解説してくれる良書です。人事労務の仕事で直面する場面をイメージしながら、労働法の基本を学ぶことができます。
内容はしっかりしていますが、新書なので比較的短時間で読み進められます。人事労務の仕事を始めたばかりの方が、実務とあわせて労働法の基本を学ぶのにおすすめです。
企業労働法実務入門―はじめての人事労務担当者からエキスパートへ 企業人事労務研究会 (著)、倉重 公太朗 (編集)
企業の人事労務担当者が実務の中で知っておきたいポイントをおさえながら、労働法全体の基礎知識を解説してくれる良書です。法的な考え方にも触れつつ、実務に役立つ内容が幅広く解説されています。人事労務の仕事を始めたばかりの方には、ぜひ手元に置いておくことをおすすめしたい一冊です。
経験者向けおすすめ本 5冊
人事労務や労働法の基礎を身につけた方が、さらに理解を深めるためにおすすめしたい5冊です。いずれも鈍器になりそうなほどに相当なボリュームがありますので、最初から最後まで通読するだけでなく、必要な箇所を読んだり、辞書的に活用したりするのもおすすめです。
労働法 第13版 菅野 和夫 (著)、山川 隆一 (著)
人事労務に携わる方であれば、一度は聞いたことがあるであろう菅野「労働法」。労働法の幅広い論点を網羅的・体系的に解説した、労働法を本格的に学びたい方の定番書です。
菅野先生は日本の労働法学を代表する研究者で、2024年度には文化功労者にも選出されています。1985年の初版刊行以来、長年読み継がれている、まさにレジェンドによるバイブル本です。
1,400ページを超える大著ですが、実務で疑問にぶつかったときに該当箇所を調べたり、労働法を体系的に学び直したりしたい方におすすめです。
労働法〔第5版〕 荒木 尚志 (著)
荒木先生による「労働法」。労働法の幅広い論点を詳細かつ分かりやすく解説した基本書です。事例や判例を交えながら、法解釈の考え方や労働法の本質まで理解を深められる点も、同書が実務家から愛読されている理由の一つです。
前述の菅野「労働法」と比べると相対的にコンパクトで、頁数は932頁です。判例や法解釈まで踏み込んで、労働法を深く学びたい方におすすめです。
労働法〔第10版〕 水町 勇一郎 (著)
水町先生による「労働法」。労働法を体系的にまとめつつ、具体的な事例を交えながら分かりやすく解説した良書です。紹介されている事例も実務家にとって直接役立つ内容で、労働法の知識を実務と結びつけながら理解できる点が特徴です。
前述の菅野「労働法」、荒木「労働法」と比べると相対的にコンパクトな574頁です。水町先生の書籍には、より詳細な「詳解 労働法」や、初学者向けの「労働法入門」もあります。
本格的な基本書に挑戦したいものの、読みやすさや実務とのバランスも重視したい方におすすめです。
就業規則の法律実務(第6版) 石嵜 信憲 (著, 編集)、他
就業規則の各テーマについて、法的な考え方や実務上のポイントを詳しく解説してくれる実用書です。就業規則の作成・改定や、実際の労務問題への対応にあたって、「この規定をどう考えればよいのか」を確認したいときに役立ちます。
石嵜先生の「法律実務」シリーズには、このほかにも「賃金規制・決定の法律実務」「労働時間規制の法律実務」「労働契約解消の法律実務」「懲戒権行使の法律実務」などがあり、テーマごとに実務で直面する疑問を深く調べることができます。
就業規則を扱う人事労務担当者が、手元に置いて必要なときに参照する実務書としておすすめです。
労働基準法解釈総覧 改訂17版 厚生労働省労働基準局 (編集)
人事労務の実務を難しくしている要因の一つが、主要な法律だけでなく、多くの政省令や告示・通達等にも実務上重要な内容が含まれていることです。「労働基準法解釈総覧」は、それらを一体的にまとめて確認できる実用書で、必要なときに辞書的に参照するのに大変便利です。
実際に労働基準監督署に赴くと、労働基準監督官が活用している場面を目にすることもあります。
法令だけでは分からない行政解釈まで正確に確認したい人事労務担当者が、手元に置いておく一冊としておすすめです。
人事担当者におすすめの本をテーマ別に紹介
本サイトでは、労働法のほかにも、人事の仕事に役立つ本をテーマ別に紹介しています。人事としての知識や視野を広げたい方は、興味のあるテーマからぜひ参考にしてみてください。
| テーマ | おすすめ記事 |
|---|---|
| 採用 | 採用について学ぶためのおすすめ本3冊 |
| リーダーシップ | リーダーシップについて考えるためのおすすめ本3冊 |
| 人事・組織 | 企業の人事・組織から学ぶためのおすすめ本5冊 |
| キャリア | キャリアについて考えるためのおすすめ本5冊 |
| 働き方 | これからの働き方を考えるためのおすすめ本4冊 |
おわりに
この記事では、人事労務や労働法を学ぶ際に役立つ、おすすめの8冊を紹介しました。
今回紹介した8冊には、人事労務や労働法の世界で長く読み継がれている定番書も多く含まれています。いずれも1冊読むだけでも多くの知識を得られる良書ですが、複数の書籍を読み比べることで、労働法への理解が深まり、法解釈の考え方や知識もより定着していきます。私自身、人事労務の実務に携わる中でさまざまな書籍を読んできましたが、同じテーマを別の本で読み直したときに、初めて理解できたことも少なくありません。まずは気になった1冊から手に取り、必要に応じて少しずつ読み広げていくのがおすすめです。 本記事が、自分に合った一冊を見つける参考になれば幸いです。