【年少者とは】何歳まで?未成年者・児童との違いや労働基準法のルールを解説

年少者・児童の労働 勤務・働き方

こんにちは、労務女子なおです。

労働基準法上の「年少者」とは、満18歳に満たない人を指します。また、年少者のうち一定の年齢までの「児童」については、原則として働かせることができないなど、さらに厳しい制限が設けられています。

本記事では、年少者・未成年者・児童の違いを整理したうえで、最低年齢、労働時間、深夜業など、企業が年少者を雇用する際に知っておきたい労働基準法上のルールをわかりやすく解説します。

年少者とは

労働基準法上の「年少者」とは、満18歳未満の人を指します。年少者には、健康や福祉を守るため、労働時間・休日、深夜業、危険有害業務などについて特別な制限が設けられています。

これらのルールは、労働基準法第6章(第56条~第64条)に定められています。また、年少者のうち、満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまでの「児童」については、原則として働かせること自体が禁止されています。

年少者・未成年者・児童の違い

「年少者」「未成年者」「児童」は似た言葉ですが、法律上の意味や使われる場面が異なります。整理すると、次のようになります。

区分年齢の考え方主な意味
未成年者満18歳未満民法上の成年年齢に達していない人
年少者満18歳未満労働基準法上、特別な保護を受ける人
児童原則として満15歳に達した日以後最初の3月31日まで原則として使用が禁止される年齢層

現在、未成年者と年少者はいずれも満18歳未満ですが、「未成年者」は民法上の成年年齢に関する区分、「年少者」は労働基準法上の保護に関する区分です。一方、「児童」は、労働基準法上、満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまでの人を指します。たとえば、中学校を卒業して15歳になっていても、3月31日までは原則として働くことができず、4月1日以降は年少者として雇用することができます。

なお、民法上の成年年齢は、2022年4月1日に20歳から18歳へ引き下げられました。

未成年・年少者・児童

年少者・児童を雇用するときのルール

年少者や児童を雇用する場合には、労働基準法上、一般の労働者とは異なるルールが設けられています。特に、最低年齢、労働契約、年齢確認、労働時間、深夜業、危険有害業務などについて注意が必要です。

未成年・年少者・児童の定義、保護規定

児童は原則として働かせることができない

労働基準法では、満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまでの児童について、原則として使用することを禁止しています。

ただし、児童の健康や福祉に有害ではなく、労働が軽易なものであることなど一定の要件を満たし、所轄の労働基準監督署長の許可を受けた場合には、満13歳以上の児童を修学時間外に使用できる場合があります。また、映画の製作や演劇の事業では、満13歳未満の児童についても、一定の要件のもとで例外的に使用することが認められています。

未成年者の労働契約と賃金

未成年者を雇用する場合でも、親権者や後見人が本人に代わって労働契約を締結することはできません。未成年者本人が労働契約を締結することになります。また、その労働契約が未成年者にとって不利であると認められる場合には、親権者、後見人または行政官庁が将来に向かって契約を解除できるとされています。賃金についても、未成年者本人が独立して請求することができ、親権者や後見人が本人に代わって受け取ることはできません。

年少者を雇用する場合も、採用時には労働条件を適切に明示する必要があります。
➡ 【労働条件通知書】記載事項・雇用契約書との違いをわかりやすく解説

年齢を証明する書類を備え付ける

満18歳未満の年少者を雇用する場合、使用者は、その年齢を証明する書類を事業場に備え付けておく必要があります。実務上は、住民票記載事項証明書などにより年齢を確認します。また、例外的に児童を使用する場合には、年齢を証明する書類に加えて、修学に差し支えないことを証明する学校長の証明書と、親権者または後見人の同意書も必要になります。

年少者の労働時間・休日

満18歳未満の年少者については、労働時間や休日についても特別な制限があります。原則として、36協定を締結して時間外労働や休日労働をさせることはできません。また、各種の変形労働時間制についても原則として適用が制限されています。ただし、満15歳に達した日以後の最初の3月31日を終えた年少者については、一定の範囲で労働時間を延長したり、1か月単位・1年単位の変形労働時間制を適用したりできる例外があります。

また、例外的に使用する児童については、修学時間と労働時間を合わせて1日7時間、1週40時間以内とする必要があります。

たとえば、17歳の高校生アルバイトについては、本人が希望しても、原則として1日8時間・週40時間を超える時間外労働や法定休日労働をさせることはできません。36協定を締結していても同様です。そのため、アルバイトのシフトを組む際には、本人の年齢と労働時間を確認し、一般の従業員と同じように残業を予定していないか注意が必要です。

年少者の深夜業

使用者は、原則として、満18歳未満の年少者を午後10時から午前5時までの深夜時間帯に働かせることはできません。

また、例外的に使用する児童については、より厳しい制限が設けられており、原則として午後8時から午前5時まで使用することができません。ただし、交替制で働く一定の年少者や、農林水産業、保健衛生業など、一部については例外があります。

特に高校生アルバイトなどでは、店舗の営業時間が午後10時を超える場合もあるため、シフトを組む際には注意が必要です。

危険有害業務・坑内労働の制限

満18歳未満の年少者については、健康や安全を守る観点から、一定の危険な業務や有害な業務への就業が制限されています。たとえば、重量物を取り扱う業務、危険な機械を扱う業務、有害物質を取り扱う業務などについて、年少者を就業させることが禁止・制限されています。また、年少者を坑内で労働させることも禁止されています。

年少者を雇用する際には、勤務時間だけでなく、実際に担当させる業務の内容についても確認しておくことが重要です。

おわりに

この記事では『未成年・年少者・児童の労働』について解説してきました。未成年者・年少者の雇用や労働条件については、健康・福祉確保等の観点から労働基準法等の保護規定が設けられており、若い労働力を必要とし、年少者を雇用しようとする企業の人事労務担当者としては、各種の保護規定を正しく理解し、適切に対応することが重要となります。

なお、若者の雇用促進の法律である『若者雇用促進法』の詳細は以下で解説しています。
➡ 【若者雇用促進法】ユースエール認定とは?概要をわかりやすく解説

人事労務や労働法を体系的に学びたい方は、書籍で一度全体像をつかんでおくのもおすすめです。
➡  【人事労務おすすめ本】労働法の基本を学ぶには?おすすめ厳選8冊を紹介

【参考】
e-Gov 労働基準法

最後に、労務女子なおが人事労務の知識、実務を学ぶ過程で参考にした書籍の中から、本記事のテーマにも関連したおすすめの本を以下に紹介します。

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