【休日】労働基準法における定義や法定休日とは?概要をわかりやすく解説

休日 勤務・働き方

こんにちは、IT企業で人事をしている労務女子なおです。
本記事では『休日』に関して、3分程度で概観できるよう解説します。

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休日とは

休日とは、労働契約において労働義務がない日のことをいい、原則として暦日の1日を指し、午前0時から午後12時までとされています。
また、労働基準法第35条には、少なくとも1週間に1日の休日を与えること、例外とする場合も、4週間に4日の休日を与えなければならないとされています。

労働基準法第35条】 条文抜粋

(休日)
第三十五条 使用者は、労働者に対して、毎週少くとも一回の休日を与えなければならない。
 前項の規定は、四週間を通じ四日以上の休日を与える使用者については適用しない。

つまり、上記の条件を満たしていれば、必ずしも日曜日を休日に設定する必要はなく、また、祝日法(国民の祝日に関する法律)で定める国民の祝日を労働日にすることも可能です。
祝日法および国民の祝日については、内閣府のホームページ上に具体的に情報がありますので、企業の人事労務担当者は必要に応じて参照すると良いでしょう。

なお、この労働基準法上の休日の取り扱いについては、法定労働時間・休憩の取り扱いとあわせて、労働基準法第41条にて、農業、畜産業、養蚕業、水産業に従事する者(林業は除く)、管理監督者または機密の事務を取り扱う者、監視または断続的労働に従事する者、高度プロフェッショナル制度の適用者については、適用除外とされています。

休日には、「法定休日」と「所定休日法定外休日ともいいます)」の2つがあります。

  • 法定休日 労働基準法35条で定められている休日
  • 所定休日 企業が任意で定める休日

前述の労働基準法35条に加え、労働基準法第32条では、1日8時間、週40時間を超えてはならない、と定められています。

例えば、1日の労働時間を8時間とした場合、5日で40時間となり、1週間の残りの2日を休日にする必要が出てきます。こうした条件を踏まえると、年間に最低限必要な休日は105日となります。その場合は、労働基準法35条で定めている休日日数よりも多くの休日の設定が必要となり、これが所定休日となります(1日の労働時間が8時間より短い場合は、最低限必要な休日日数は異なってきます)。

なお、就業規則上は法定休日を特定しなければならないものではありません。
週休2日制で、法定休日を特定していない場合は、週の起算日から数えて後の休日を法定休日と考えることとされており、また、週の起算日は、特段の定めがない限りは、日曜日と考えることとされています。
例えば、土日休みの週休2日制の場合は、土曜日が法定休日となります。 上記のような場合、誤解やトラブルを避けるため、法定休日を土日のいずれかに定めている企業が多いようです。

法定休日と所定休日の割増賃金

休日労働

休日労働と割増賃金

法定休日と所定休日を分けて認識する大きな意義は、休日に労働する場合の、36協定、および、割増賃金の取り扱いに違いがあるからです。

前述の通り、法定休日は労働基準法35条で定められている休日となり、法律上の休日労働とは、法定休日に労働することを指します。
一方、所定休日の労働は、法定労働時間内での労働、もしくは、法定労働時間を超えた時間外労働としてカウントされることとなります。

休日に労働する場合についても、36協定の締結が必要となりますが、上記の通り、法定休日に労働する場合と、所定休日に労働する場合とで、その考え方・労働時間のカウントに違いがある点は注意が必要です。

また、法定休日に労働した場合には、3割5分増以上の割増賃金の支給が必要となります。
なお、所定休日に労働した場合で、法定労働時間を超えた時間外労働となる分については2割5分増以上の割増賃金の支給が必要となります。

振替休日

振替休日(休日の振り替えともいいます)とは、あらかじめ休日として定められていた日を労働日とし、そのかわりに他の休日を労働日とすることをいいます。
つまり、事前に休日と労働日を入れ替えることを指します。

あらかじめ休日と労働日を入れ替えていますので、入れ替えた後の労働日(もともとの休日)に働いた場合も休日労働にはならないため、休日労働に対する割増賃金の支給は不要となります。

代休

代休とは、休日労働が行われた後に、その代償として以後の特定の労働日を休みとすることをいいます。
つまり、休日労働をした代わりに、事後的に、他の労働日を休みにすることを指します。

代休は、振替休日と異なり、前もって休日を振り替えたことにはならないため、休日労働分の3割5分増以上の割増賃金の支給が必要となります。

振替休日と代休は、休日と労働日を入れ替える点でよく混合されがちですが、似て非なるものとなりますので、注意が必要です。

休日と休暇の違い

休日は、労働契約において労働義務がない日のことをいいますが、有給休暇は、労働義務があるものの、賃金の支払いを受けて休みとなることをいいます。
働かなくて良い日という点は共通ですが、賃金の支払いの有無が異なります。

休暇の中には、法定休暇と法定外の休暇(特別休暇ともいいます)があります。

法定休暇には、年次有給休暇、産前産後休業、生理休暇、育児休業、子の看護休暇、介護休暇、介護休業などがあります。
主な法定休暇である『年次有給休暇』の詳細は以下で解説しています。
 ➡ 【年次有給休暇】年5日の取得義務とは?概要をわかりやすく解説

また、法定外の休暇(特別休暇)は、企業が任意で設けている休暇のことをいい、年次有給休暇等の法定休暇とは別に、慶弔関連の休暇や病気の際に取得できる休暇や両立支援を目的とした休暇を設けている企業もあります。
なお、法定外の『休暇(特別休暇)』の詳細は以下で解説しています。
 ➡ 【特別休暇】休暇の種類や法定休日との違いは?概要をわかりやすく解説

おわりに

この記事では『休日』について解説してきました。
普段多くの方が何気なく使用する「休日」という言葉も、企業の人事労務担当者としては、労働基準法に定める法定休日と所定休日の違いや年次有給休暇等との違いについても正しく理解する必要があります。
休日については、労働時間とあわせて、従業員の健康管理に大きく影響を与える重要な労働条件となりますので、会社のビジネスや業務内容を踏まえながら、適切な勤怠管理を行うことが重要となります。

【参考】
e-Gov 労働基準法
厚生労働省 労働時間・休日

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